モンスターハンターにおけるスキル「弾丸節約」とは一定確率でボウガンの弾や弓のビンを消費を抑えることができます.
その節約確率はMHW:IBでは弾丸節約は、真・弾丸節約がと言われています.
ある節約発動回数になる確率や期待値についての詳細な計算をしていきます.
節約確率
ある弾が節約される確率とします.MHW:IBの業物・弾丸節約Lv1であればということになります.
これは弾が消費される確率がであると言い換えることもできます.
(多くの人が間違えているので)注意していただきたいのは、例えば発'消費'したうちに回節約したとき、節約確率はだ(と統計的に推測される)、という主張は誤っています.
という関係が成り立つので、
で推定されるということになります.この例の場合はとなり、節約確率はだと推測されることになります.
また、発'撃った'ときに回節約したときは消費量が発であり、この場合はだと推測されます.
節約確率のときに発消費した場合、
なので発撃てることとなり、回節約されるはずだということになります.
弾丸数の期待値
上での計算例から、実際の弾丸数が実質的には何発になるかの期待値を求めることができます.
弾丸数(消費量)発のとき、その期待値をとすると、
なる関係から、
となります.
また別の考えとしては、発の期待値をまず考えます.
期待値は実弾に加え、回節約する確率(に実弾数をかけたもの)、回節約する確率(に回目で節約された弾丸数をかけたもの)、...を無限に足していくことで求まります.
なので発の期待値は
となります.
n発がちょうどn+m発になる確率
発(消費量)がちょうど発(射撃回数)になる確率を とします.
これを考えるには、
発目で(連続して)回節約されるとします.これらは
・・・(1)
を満たします.発目に着目すると、その事象の確率はが回数と、発目が消費される確率をかけあわせたものになります(消費しないとに進んでいないことになり、そのような事象は不適切).そして、から発までそれらの事象がそれぞれ起きるのですべてかけ合わせます.
これを(1)式を満たす可能なすべての和事象が求めたい事象なので、それらの確率を足し合わせます.このことを式にすれば、
となります.計算するうえで、難しいのは内のだけです.
以下、が十分に大きい()とし、からの例をあげながら、納得してもらうために別の言い換えをしながら計算します.
n発がちょうどn発になる確率
これは自明で、すべて節約されない確率、すなわち連続して発が消費される確率で
n発がちょうどn+1発になる確率
確率の回反復試行のうちちょうど回成功し、かつ節約された発が消費される確率()
n発がちょうどn+2発になる確率
確率の回反復試行のうちちょうど回成功し、かつ節約された発が節約されない確率()と
確率の回反復試行のうちちょうど回成功し、かつ節約された発が節約されない確率()の和
n発がちょうどn+3発になる確率
確率の回反復試行のうちちょうど回成功し、かつ節約された発が節約されない確率()と
確率と確率の回反復試行のうちそれぞれちょうど回成功し、かつ節約された発が節約されない確率()と
確率の回反復試行のうちちょうど回成功し、かつ節約された発が節約されない確率()の和
自然数の分割
以上の例を計算しながら追った方は気づいたと思いますが、(1)式が要となっています.
まず可能なの組み合わせを数え上げればよいのです.
をこのようにそれ以下の自然数の和で表示することを、の分割といいます.
上の例ではヒントらしく最後にカッコ内に分割の仕方を書いていました.
自然数のの順序を問わない分割の仕方の数を分割数といいます.
注意として、弾の数は発までなのでを超える項数からなる分割は除かなければなりません.
手順としてはまず、自然数の項以下の分割を全列挙します(順不同).
そのうち、ある分割(項数)について、
とすると、値域によっての相異なる項の数はと表せます.
例えば、の分割()のとき
です.
で計算はできます.
例えば先ほどのの例でいえば、は
と分割できて、
なので
となるというわけです.これによって機械的に計算することができます.
n発が少なくともn+m発になる確率
少なくとも発にはなる確率をとします.考え方は殆ど同じで、
発目で(連続して)回節約されるとしたとき、を満たすとします.以上のあらゆる組み合わせをすべて足せばいいのです.
このように直接考えると無限和ですが、ちょうど発になる事象の総和事象が余事象なので
と有限和でも計算できます.